不安症
普通の不安感
高速の車に乗っているときや、怒っている犬が向かってくるときのような、恐ろしいシチュエーションによる、外部からのストレスによる不安感は、ほとんど誰もが経験したことがあるでしょう。
内部からの不安感には、職場でのプレゼンテーションを行ったり、気になっている人をデートに誘うときや、理由を知らされずに上司に呼ばれたときに感じるような、怖さや不安が挙げられます。 このような状況は、誰にでもある、普段は意識上にない、人の自尊心の小さな欠点を刺激します。 これらの問題は、通常軽い一過性のもので、ストレスによる影響が大きすぎない限りは、カウンセリングなどの治療方法を選ぶ必要はありません。
人格障害と不安
自己のアイデンティティーに多数の欠点や深い問題(例:愛されていない、自分を蔑んだり、認められていない、無能感、などという中核問題を有する)が不安感の原因と考えられます。このような不安は常に存在し、アイデンティティーの欠点が刺激される(例えば、一人になったときや批判を言われたときなど)と、不安感が悪化する可能性はあります。
彼らが感じるこのような不安感は、アイデンティティーや人格構成に関係しコンピューターのソフトウェアプログラムの問題のような現象で、ハードウェアの問題のような、脳障害ではありません。人格や性格に欠点が重ければ、人格障害の評価基準に満たしている可能性もあります。 このような問題には、性格再構造に対する徹底的心理療法が適切です。一般的に、精神力動学療法、中核問題防衛・パラディグムや認知療法を含む、様々なアプローチの混合が効果的でしょう。
生物学的不安症
重い不安感を持つ人の中には、外部の出来事に関係しない、又は、人格問題の証拠もない人もいます。これらの人々の中には、家族内に不安症、うつ病、又は他の精神病を抱えている人がいる傾向がよくあります。 このような不安症の種類は、生物学的な不安感の病気と考えることが有効で、不安症の評価基準に当てはまることが多いでしょう。
不安症の主な種類には、全般性不安障害、パニック障害、社会恐怖症、強迫性障害、さらに心的外傷後ストレス障害があります。一般診療床の医師やセラピストや研究員、また、カウンセリング東京のスタッフは、これらの障害を「気分障害」と考えるかもしれませんが、不安症が気分障害のひとつとみなされるべきか、不安障害として区分されるべきかは、未だにメンタルヘルス分野内の論争となっています。
不安症を抱える人々は、「もしも私の考え方を変えられたら」、「この問題を職場内で解決できたら」、などと思っていることが多く、それにより、不安症はなくなると思い込んでいいる人はすくなくありません。 しかし、彼らは出口のない心配の渦の中にいて、思い込んでいる問題は原因ではなく、心配のタンクが満タンに詰まっているのは本当の原因で、心配(認知の一種)の燃料として機能してしまうのです。 このような結論を出す理由の一つとして、不安や心配に関する問題を抱え始める以前には、彼らにこのような考え方はなく、薬での治療が成功すれば、不安感だけでなく、心配も取り除かれるケースが多いからです。そのような種類の不安症と生物学との関係の証拠を得るためには、キーワードの例として「panic disorder and brain scan」や「obsessive compulsive disorder and brain scan」などを Pub Med、米国国立医学図書館のウェブサイトなどで検索すると、莫大な量の研究を見つけることができます。
カウンセリングもまた、このような不必要な不安感にさいなまれる人々のリハビリに必要です。自らの考えを間違っていると疑ってしまうところに起因する自己逆襲を軽減することや、人間関係への悪影響を修復するためにもカウンセリングは必要です。これらの重い病気の改善のために上のパラグラフに挙げた性格障害と不安症のための心理療法に加え、薬による治療が恐らく必要です。
それぞれの不安障害の詳細
下記の説明では、麻薬使用がないことが前提です。コカインや、エクスタシー、LSD、さらにその他の麻薬により不安症のような症状が表れるかもしれませんが、このウェブサイトでは、これらの問題の説明を省かせて頂きます。
全般性不安障害(GAD)
全般性不安障害(GAD)は、過度の不安感、心配感、落ち着きのなさ、いらいら感、筋肉の硬直、疲れ、そして最低6ヶ月以上の不眠が特徴的です。「もしこれを解決できたらもう心配はなくなる」などと結論を述べようとするタイプの人々のことです。さらにこのタイプの人たちは、「体の調子がおかしいと思ったけれど、医者は何でもないと言う」などとよく言います。
現実的に、このような人々の脳の中の不安感をコントロールする機能に何らかの異常があり、そういう意味で「体がおかしい」のが正しいです。このような複雑な脳の機能を証明する簡単な医学検査は無く、それ以外はほとんどの場合、不安感により感じるだるさや衰弱感を体調の悪さと考えない限り、「明らかな」身体の問題はないでしょう。ところが、双子研究によると、この病気の一致発生率は高いことが示されています。さらに、ストレスも人々にこのような不安感を持たせる原因になります。しかし、通常はそのようなストレスに対し、ほとんどの人がすぐに通常の状態に戻ります。これは、GADと診断される人の不安感に対し、何らかの胞弱性があることを示しています。カウンセリングはこのような人々の固執を止めることと、問題を敷延することに役立ちます。そして薬は基本的な不安感を軽減する手助けをします。
パニック障害
パニック障害を抱える人々は、GADを抱える人に比べ、突然起こる不安感に対するショックが強いといわれます。極度のパニックアタックと、それに対する不安が彼らを繰り返し襲い、通常何の前触れもなく夜中でも起こります。症状の重いときには、動悸、発汗、急速な呼吸、窒息、めまい、震え、絶望感、(過呼吸の後に起こる代謝の変化に伴う)過度のうずき(しびれ)などが起こります。 このような症状を体験した後、次にいつどこでパニックが起こるかと心配し始めます(予期することに伴う不安)。 そのため、助けが得られなさそうな場所を避け始めます(恐怖の回避、または広場恐怖症)。
パニックアタックを抱えている人は、ほとんどの場合、初めは緊急、又は救急病棟で見受けられます。そして「何も悪いところはありません」と言われます。近年、医師はよりパニックアタックに関しての知識を認識していますが、未だ多くは患者を精神科医に紹介しません。何度も繰り返しになりますが、やはり、「何も悪いところはない」というのは、正確ではなく、パニック障害があり、上記のように脳の中の不安感に関わる部位が誤作動している可能性があり、ブレーンスキャン(脳画像検査)やその他の検査で証拠付けられています。これは通常の内科的な問題ではありません(まれに甲状腺機能亢進症や、他の内分泌腺の問題による場合もありますが、これらの診断が可能な精神科医に診てもらうことが適切です)。「Panic disorder and brain scans」を Pub Med、米国国立医学図書館のウェブサイトなどで検索すると、パニック障害における生物学的調査結果などが見られます。
一等親の親族内では、パニック障害の現れる確率が一般人口に比べ8倍にもなります。そして、薬でのパニック症状の抑制も極めて効果的です。時にはうつ病のときのみのパニックアタックの発生もあり、その場合、パニックはうつ症状によるもので、うつが消えると共になくなるため、2つの病気の同時診断はしません。
心理療法は教育面、不合理な恐れの軽減、実際にはほとんど起こっていない自分自身に対する逆襲の軽減、そして恐怖心による回避行動や予期不安のサイクルなどを壊すのに極めて重要です。認知再構成(徐々に恐れていることに直面する割合を増やしていくこと)と、自身の中に存在する生まれつき兼ね備えた強さに対するサポートが病気の改善へ大きな助けになります。
社会恐怖症(SAD)
社会恐怖症(SAD)はとても一般的な問題で、症状が軽い人も含めて人口の10%近くになります。 SADは、社交的な設定で恥をかくことがありうるような場面に対する過度の恐怖感が定義とされます。それはたくさんの社交場面に総合されることもあれば、単独やいくつかの限られた場面に絞られることもあります。最も一般的な体系は、人の前で話す際の過度の不安感です。人によっては顔が赤くなったり、いらいらしたり、声や手が震えたりします。状況によっては認識のない人に初めて会うことに恐怖感を感じたり、公衆トイレを使うことができなかったり、公衆の面前での飲食又は何かを書くことに恐怖感を持つことなどです。回避することでそれが大きく主観的なストレスや自身の機能において重大な損傷となります。対人恐怖症は家系に広がる傾向があります。
心理的メカニズムとは、自尊心に欠けている人がこの自身の問題を、自分と会ったり話したりしている相手に投影(精神防衛機制)し、これにより不安感を増幅してしまうことです。
教育やエクスポージャートレーニング、心理療法、また薬による治療など、これらは通常社会恐怖症に有効的でよい反応を示します。
強迫性障害(OCD)
強迫性障害には2つの種類があります。1つは強迫観念を持っている場合と、もう1つは強迫観念と激しい衝動との両方を兼ね備えており、その強迫観念中に行動として見受けられます。これらの強迫観念や行動にはとても時間がかかるか、または大きなストレスの原因、生活の妨げになるため、本人はその極端な性質を認識しています。
強迫性障害はしつこい考え、衝動やそのイメージがくり返し起こります。 これらは汚濁(例:本人が何らかの汚染されたものに触ったなど)、くり返し起こる疑い(例:事故で誰かを負傷させてしまった、電線が危険な周波を発している、物事を厳しい順に従わせることに執着する、誰かを傷つけたり殺してしまうかもしれないという衝動に駆られる、など)に関係する傾向があります。古新聞やゴミを家に溜め込む人は、強迫性障害を持つことが多く、ゴミの中にいつか必要となるかもしれない大切なものがあるのではないかという疑いを取り除くことができません。
激しい衝動は繰り返される行動で、しばしばその強迫観念や妄想に対する、それを抑制しようとしたり自然にしようとしたりする反応で(例:極度の手洗い、数かぞえ、確認の繰り返し、祈りの繰り返しなど)、中には風習のようになっていることもあります(例:出かける前に家中を回り5回鍵を閉める)。これらの衝動は、パートナーや夫婦間ではとても難しい問題で、しばしばぶつかり合いの原因となります。
強迫観念や衝動は、極度に病的傾向のある考えや行動で、健康な人々にはごく少ない程度で起こり、これらの考えや行動は社交的な場面や職場で重大な問題の原因となりうるのです。これらの病気を抱える人のうちほとんどが成人前にその兆候を現し始め、親族内の強迫性障害を抱える割合は一般人口との割合に比べ高く、一卵性双生児の方が二卵性双生児より遺伝子的にも共に発症しやすい研究結果が出ています。上記にあるように、 Pub Med、米国国立医学図書館のウェブサイトなどで「obsessive compulsive disorder and brain scan」などと記入し検索すると、強迫性障害の生物学的な研究結果がみることができます。
教育、恐怖エクスポージャートレーニング、衝動に対する行動修正、心理療法、そして薬による治療は強迫性障害に役立つでしょう。しかし、中にはこれらの様々に組み合わされた徹底的で複雑な治療に対し、部分的又は完全に抵抗する人もいます。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
トラウマになるような重大な出来事により動揺したりショックを受けることは普通ですが、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する人々は、過度のストレスや生活機能の悪化の原因となる症状を進行させてしまう病状構造があることが考えられます。これらの出来事の例の一部として戦争、自然災害、暴力犯罪などの体験が挙げられます。トラウマはまた、身体的なもののみではなく、心理的起源もあります。典型的なPTSDの状況は「シェルショック」と呼ばれ、戦場の激戦下から戻った人々によく現れる症状です。
これらの人々が示す主な症状は以下の項目に関係しています:1.トラウマになった出来事の再体験、2.トラウマに関する刺激、出来事、物などを避ける回避行為、これはしばしば一般的な「無感覚」と共存、3.喚起の上昇。
トラウマ再体験の症状は主に考え事や夢の中でその出来事が再度起こる感覚を体験したり、起こりそうだ、又は起こっていると感じることです。 回避行動の症状は、考えることを拒んだり、トラウマに関係する活動、場所、出来事に関わる人を避けることです。 「無感覚」には周囲からの無関心さや隔離があり、喚起の上昇には、大きな音に対しての大げさな驚き方、苛立ち、不眠症、トラウマに名残のある出来事に対する怒りの反応です。
PTSDを抱える人々はしばしばうつ病を併発します。そして一等親内うつ病の発症はPTSDになりやすい傾向との関連が認められています。「post traumatic stress disorder and genetics」や「post traumatic stress disorder and serotonin」または「post traumatic stress disorder and brain scan」を Pub Med、米国国立医学図書館のウェブサイト上で検索すると、PTSDにおける生物学的研究について学べるでしょう。
薬と併用したカウンセリングは、トラウマの再体験が起こるということをすでに決め付けてしまっている人々の結論の再構造や、トラウマの原因は彼ら自身ではないと説得することや、トラウマはすでに終わっていて、過去の出来事だと感じられる現実に戻すためにも、とても重要なプロセスです。
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