私は気分の起伏が激しいです。どういうことでしょうか。
機嫌やムードが急変化するのはひとつの理由のみならば、気分の変化の仕方も様々です。もちろんストレスは気分をいらだたせやすい傾向にありますが、職場の厳しい環境や、嵐のように変化したり満ち足りない恋愛関係、家庭内でのストレスなどすべてが人のムードを左右します。これらの例はすべて外部からのストレスの原因であり、人によっては外部での出来事や環境がムードの変化に関係しないこともあります。これらは性格に基づくものであったり(例:自尊心の問題、アイデンティティーの問題{愛されていない、必要とされていないと感じる})、又は、生物学的なことに基づく問題であったり(例:医学的な病気、アルコールや薬物による影響{中毒症状や禁断症状など})月経前のムードの変化、または精神医学的な気分障害などがあります。
精神医学的気分障害は気分変調症(軽いうつ病)のように比較的温和なものもあれば、それ以上に重度の
うつ症状や双極性障害もあります。また、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害は不安障害と区分され、一般的な言葉では「気分障害」としてこの説明の中でも使われています。しかしメンタルヘルスの分野内では、未だに、不安障害を気分障害の枠の中に入れて考えるのかで論争が行われています。
このような問題を抱えている人の中には病名がうつ病や不安症を示していても、そのムードは多様に変化することもあります。心配、不安感、その問題の根源でもあるムードの上下変化自体が、異常な不安定さを示唆しているのです。双極性障害の場合は特に、気持ちの変化が極端で、人によっては躁病(急速な話し方、次々に変わる考え、睡眠の不必要性など)と、うつ症状(気力の低下、涙もろさ、恐怖感、失望感など)を同時に持つこともあります(これは混合型双極性障害と呼ばれています)。このような問題を抱える人はさらに敏感になり、時にはそのストレスのみを自らの極端なムード状態の原因と責めてしまうのです。
上に挙げた問題の治療方法は、その問題によって必要に応じ異なります。外部からのストレスの原因に起因する問題には、その人の理解を深めることや状況下での対処法(その状況が具体的に変わらない場合には仕事を変えるなど)の指導やアドバイスが必要です。性格上の問題においては、徹底的な個人セラピー、またはグループセラピーが必要とされ、ある程度の向上を図るためには長期の治療が必要です。 精神疾患、または精神障害は通常、カウンセリングと教育、それから薬物治療のための評価が必要とされます。